建築内装のスタンダードである石膏ボードは、今転換期を迎えています。
解体が増える中で廃石膏ボードの排出量が増加し、処分場の残余容量にも制約が生じてきます。
こうした「出口」リスクにどう備えるか。
全3回で、廃石膏ボードの循環(サーキュラーエコノミー)を、課題・技術・製品実装の流れで紹介します。
廃石膏ボードの排出量の増加と処分方法
■ 増え続ける「廃石膏ボード」
高度経済成長期に建てられた建物が解体時期を迎え、廃石膏ボードの排出量は増加傾向です。2050年代には現在の約2倍、年間300万トン規模に達する可能性が指摘されています。
■ 「埋め立て」という選択肢の限界
これまで、リサイクルが難しい廃材の多くは最終処分場へ運ばれてきましたが、管理型処分場の残余容量が減少傾向にあることが確認されています。
地域によっては受け入れ条件の厳格化やコスト上昇が報告されるケースもあり、今後は「捨てる」以外の選択肢も持っておくことが、安定した現場運営のカギとなります。
※参考文献:環境省 産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(令和4年度実績等)
■ わずか「6%」の資源循環(解体系)
新築系の廃石膏ボードは約59%がリサイクルされ、再び石膏ボードの原料に戻る一方、解体系では、わずか6%にとどまっています。
実に約42%がそのまま埋め立てられているのが現状です。
この埋め立て処分されている「42%」を、少しずつでも「資源」として活用できるルートへ振り向けていくこと。それが、今後の環境変化に柔軟に対応できる現場づくりにつながります。
※参考文献:令和元年度 建設廃棄物の再資源化に関する調査・検討業務
次回予告
廃石膏ボードを再び石膏ボードへ戻す「ボードtoボード」という仕組みについて、具体的なプロセスをご紹介します。
なぜ、今「廃石膏ボードの循環」が必要なのか
石膏ボードを「消費される建材」から「循環する資産」へ
現在、逼迫する処分場に頼り切ることが課題となる中、私たちは石膏ボードを単なる「廃棄物」として終わらせるのではなく、再び価値ある資源へ転換する取り組みを進めています。
確実な資源循環ルートの確保は、将来的なコスト変動を緩和し、事業継続性の向上に寄与しうる経営施策です。
循環の透明性が、企業の評価を左右する時代へ
今、建築業界全体では「資源をどう循環させたか」の透明性が、施主や社会から求められています。
この資源循環(サーキュラーエコノミー)の仕組みをいち早く整える事は、協業他社との差別化につながり、結果として企業価値の向上にも寄与する可能性があります。
私たちは、使い終えた後の「循環ルート」の選択肢を提示し、皆様が抱える将来への不安の軽減と持続可能な現場づくりを支援します。
当社では、廃石膏ボードを次世代の建材資源として循環させるため「ボードtoボード(水平リサイクル)」を実装し、解体現場から再び建築現場へ戻す循環の仕組みを構築しています。
本シリーズの構成
・第1回:廃石膏ボードの課題
・第2回:ボードtoボード(水平リサイクル)の考え方
・第3回:100%廃石膏ボード原料の石膏ボード
※本ページは、その中の一部をご紹介しています。
こんなお悩みはありませんか?
・環境配慮型の取り組みを求められているが、具体策がない。
・分別や再資源化ルートの構築方法が分からない。
・廃棄物の「行き先」を説明できる体制を整えたい
・再生材料比率の高い建材を探している
・環境配慮型建築の提案材料を増やしたい
個別相談承ります。
・再資源化ルートの構築
・分別方法の整理
・サーキュラーせっこうボードの採用検討
・環境配慮型建材のご提案
現場条件に応じてご相談いただけます。
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